HOME>注目記事>成年後見制度との違いやメリット・デメリット

契約書を作成する

弁護士

比較的新しく整備された家族信託の制度は、柔軟な資産運用が可能になる等のメリットがあり、近年は大阪でも利用者数が増加しています。従来の成年後見制度は何をするにも家庭裁判所の介在が必要なため、手続きが煩雑なだけでなく費用もかかるのが難点でした。家族信託は基本的には契約書だけで成立するので、実費は収入印紙代だけで足ります。ただし公正証書として作成するには、数千円から数万円の出費がかかります。また契約書に不備があると無効になるため、一般には弁護士や司法書士などの専門家に作成を依頼するのが妥当でしょう。その際には詳しい運用方法についてアドバイスを受けることもできます。

元気なうちに対策を

男女

高齢になって認知症などの心配があるとき、財産を保護するには成年後見制度を利用する方法が考えられます。ただし成年後見制度は認知症になってからの対策であり、元気なうちは認められないのが弱点と言えます。家族信託はいつでも自由に契約を結べるので、より意にかなった財産分与ができるというメリットがあります。個人経営の商店や中小企業などが多い大阪では、事業継承に関しても家族信託を利用するケースがしばしば見られます。

受益者と受託者の関係

握手

成年後見制度は財産の保護を第一の目的にしていますが、家族信託は受託者が比較的自由に資産を活用できるという特徴があります。ただし投資信託のように報酬を目的とする行為ではありません。受託者イコール受益者とは限らないため、委託者が受益者となる場合も大阪では多いようです。たとえば子供に資産の管理を委託して、本人が収益を受け取るといったこともできます。やや複雑になる贈与税や相続税の計算については、専門家に相談することをおすすめします。